20001215


「勤務中の組合活動認めぬ」
三重県教組に集中攻撃

徹底して闘う構えが必要

三重・教員 大塚 早苗


 私は三重県で教師をしており、かれこれ二十数年がたとうとしています。かつて三重県教職員組合(三教組)も、勤評闘争など激しい闘いを経験していますが、私が教師になってからは子供を中心にすえた教育運動が組合活動の柱でした。
 しかし、昨年十二月の県議会で一部の議員(裏に自由主義史観の連中がついている)が三教組攻撃に乗り出してきました。この攻撃は一連の政治反動、教育反動化の流れの中で、自殺者まで出した広島県の次のターゲットにされたものであることは明らかです。
 攻撃の内容は、勤務時間中の組合活動についてや勤務評定オールB問題、日の丸・君が代の実施率が極めて低いなど各方面にわたるものです。組織率九〇数%という三教組への攻撃ですから、全国に波及する影響も大きなものです。
 現在は、勤務時間中の組合活動について、その部分の給与を年度内に返還せよということが焦点となっています。過去三年間(なぜ三年間なのか根拠がない)の返還分は、六十一万時間・十数億円で、教師個人で返還せよというのが県教委の態度です。
 三教組執行部は、この問題が議会で取り上げられた時、以降勤務時間中の組合活動は行わない、純粋な組合活動分は返還するなどの方針(私自身は大いに疑問)できました。六十一万時間というのは、県教委によってほとんどすべてを組合活動とされたものです。執行部もこれでは合意できないとして、最近になって「全面対決」も辞さないという方針を出し、職場討議に入りました。

「教育改革」は現場知らぬ戯言

 私の職場では、まだ闘いの準備不足の状況です。それにしても、県教委の態度は許せないと思います。勤務時間中に組合活動をしていたといいますが、そのほとんどは教育活動であり、当の県教委も校長も認めた下で行われたものです。今さらその責任を教師個人に負わせるというのは、筋違いな話だと思います。
 教育基本法改悪を狙う連中は、教育荒廃の原因を日教組に押しつけ、マスコミも悪乗りしていますが、教育現場を何も知らない連中の戯言です。
 私の学校でも子供の教育を「放棄」せざるをえなくなっている家庭が、激増しています。高校でも授業料を払えない家庭が激増しています。子供の授業料が払えない状況ということは、並大抵の状況ではありません。親がどんな気持ちで日々暮らしているのか、授業料を払えない子供たちはどんな気持ちで学校に行っているのか。日教組を悪者にして教育を語る連中には、本当に腹が立ちます。
 職場集会の時、私は「県民すべてを敵にまわしても(そんなことにはならないのだが)、闘うという構えが必要だ。そうでなかったら勝てない!」などと少々過激な発言をしました。また「職場に不安があるが、それは今までの三教組の活動に誇りをもたせる点で、執行部の指導が弱いからではないか。みんなにもっと自信をもたせてほしい」などの要望も出しました。
 来年早々には、教師個人あてに「払いすぎた給与を返還せよ」という請求書(支部長クラスでは多い人で五百万〜六百万円くらいの人もいる)が送られてくるそうです。
 三教組は来年の二月上旬頃臨時大会を開催して、方針を決めることになっています。三教組も正念場ですが、組合員も今までのような執行部だのみの姿勢が、問われているように思います。


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