20001125


売り上げが6割もダウン
閉店の話もちらほら

大型店の出店で大ピンチ

コンビニエンスストア労働者 寺島 賢治


 不景気が続く毎日、二十一世紀もあとわずかですが、庶民にとっては先の見えない毎日です。
 ところで、師走も間近に迫ったのに、僕の働く職場は大ピンチです。幹線沿いにあるコンビニエンスストアで働き初めてもう五年が経とうとしています。二十四時間営業なので、勤務が不規則で大変ですが、それなりにがんばっています。店長の信頼もあり、店の仕事のかなりのことを任せられ、アルバイトが多い中でも古株にもなりました。
 店は町の中心部から離れていますが、幹線沿いで、周辺に店もなく、マンションや団地も多く、それに競艇場もあって売り上げは好調でした。
 ところが、最近になって百メートルも離れていない場所に、いまはやりの大型の日用大工用品等を扱う、デスカウント店がオープン。そしてその隣に安さを売り物にする、スーパーマーケットがオープンしました。何の工事をしているのか興味はありましたが、マンションか何かの新築工事とばかり思っていました。
 オープン一週間前から、近所には大量のチラシ広告が配られ、周辺には立て看板が大量に設置されました。オープン当日は、店の前の道路は大変な混雑で、手に手に買い物袋を抱えた人の行き来でものすごい人手でした。
 オープンから一カ月、店の売り上げは六割もダウンし、この歳末商戦を前に、もう難しいと閉店の話が店長を中心に話題になり、暗い毎日が続いています。
 例年であれば、師走を前に店の飾り付けも一新し、年末から年始にかけて売れ筋の商品で華やかさを演出しますが、今年はとてもそんな雰囲気になりません。それでも、何とかがんばって営業は続けていますが、来年の見通しはたっていません。
 もともと店長の家族を中心に出発した店が、この二十一世紀を直前に、考えもしなかった閉店を考えざるを得ないところに追い込まれ、僕やその他の従業員にとっても、職場が失われることを考えると、何かものすごく言いようのない怒りを感じます。
 スーパーの出店はあっという間の出来事で、あらためて大型店の脅威を感じました。自由競争とはいえ、これでよいのかと強い憤りも感じます。不景気なので、安い店に多くの庶民は足を向けるのは仕方のないことですが、こういう現実に直面すると、このままでは、小さな店はどうしようもなくなるのではないかと考える毎日です。


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