20001125


繁忙の中、一時金闘争を開始

労働者の底力示したい

印刷労働者・磯野 進二


 年末と共に、この業界は忙しくなるのが慣例ですが、今年も例年通り残業に追いまくられています。たまの休みは体がきつく外出を控えていますので、文化的生活とはほど遠く、中小企業に働く者の悲哀を感じています。
 世間が不況なのに、私の働く会社は残業に追いまくられています。それは、これまで手を出さなかった「単価の低い仕事」が増えたからです。私の残業は月四十―五十時間くらいですが、多い人は八十時間の人もいます。
 会社と労働組合との間では「三六協定」で残業時間は月二十時間となっていますが、有名無実化しています。給料が安いので、残業代で家計のやりくりせざるを得ないから、不満の声も聞こえてきません。昼休みに雑談の中で、残業が話題になることもありますが、よその会社で押しつけられている「サービス残業」よりましという人もいます。
 年末闘争が始まりましたが、会社側から交替勤務者の一時間の延長が提案されました。これまで長時間残業に協力していた人も、「強制残業」になるのでもっと金を出せ、という声が出ています。交替勤務で働く中高年の人たちは体もきつく、切実な要求となっています。年金の支給開始が延びて、定年延長を余儀なくさせられるので、中高年の人たちの問題を組合としても真剣に考えていかなければと思っています。
 年末一時金闘争は、産別の方針通り「二・六カ月」を要求し、第一回の交渉がやられました。仕事は前年に比べて二割ほど増えており、どの職場も残業でやりくりしているのに会社の回答は冷ややかなものです。「利益が出ていない」の一点張りで、長時間残業や交替勤務でがんばっている労働者の声を聞こうとしません。
 第一回の交渉が終わった後、組合役員同士で「今年の一時金はなんとしても要求を実現しよう」と話し合ったところです。交渉の経過をにらみながら、「スト権投票」を計画していますが、組合は例年九〇%くらいでスト権を確立しています。
 数年前には「時間外拒否」の闘いを経験していますが、このあたりで働く者の底力を会社の示さなければと思っています。個人的にはストライキが打てればと願っていますが、とりあえず「時間外拒否」の行動で一時金闘争を盛り上げ、要求が実現できればと考えている今日このごろです。


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