20001105


労組つくって職場を改善

生協職員 田嶋 輝雄


 私は今、生活協同組合の職員として働いています。生活協同組合(生協)といっても知らない人が多いと思いますが、これは個人がお金(出資金)を出し合い、安全な食べ物の生協組合員への供給を主軸に、地球環境、平和などを考え訴えていこうという組織です。
 私が生協に入ったのは十年前でした(つまりそれまでは職を転々としていたわけです)。生協に入る前は生協の理念からいって楽しい職場だろうと思っていました。ところが職場の現実は大きく違い、就業規則もまともになく残業手当もいい加減な払い方でした。
 私は二月に入りましたが、段々腹が立ってきて労働組合をつくろうと考えました。信頼できそうな二人に話を持ちかけ、三人で相談を始めました。
 私はその時「地球や環境にやさしい生協がどうして職員にやさしくないの?」「このことが見つかっても三人いれば組織だ」と居直っていました。その後講師を招いて学習会を開き、九月には十九人の職員が集まって労働組合の結成大会を行いました。
 大会では私が委員長に選出されましたので、その翌日専務に結成趣意書を渡すと、本当にびっくりした顔をしていました。
 その後、労組未加入の職員やパートさんに声を掛けて労組員を増やしていき、最終的にはアルバイトを除くほぼ全員が労組員になりました。
 この結果、私が生協に入ったころには職員の平均勤続年数が二・六年だったのが、辞める人が大幅に減少しました。働きやすい職場をつくるため、小さなことでも取り上げて団体交渉で要求し、実現させていきました。たとえば雨の日用の長靴を生協で買うとか、夏の暑い時の配送のあとのリフレッシュにシャワー室をつくるなどです。
 私が入ったこの生協は合併を二回行い、中堅規模の生協になっています。世間の流通業界の例にもれず、最近は事業で苦戦を強いられていますが、それでも今年の春闘では七千円以上の賃上げと、年間五カ月のボーナス(一時金)を獲得しました。
 私はつい先日の労組の大会でまた委員長になりましたが、これから厳しくなる状況の中で精いっぱいがんばりたいと思っています。
 


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