20001105


深刻な不況反映した知事選

居酒屋は大フィーバー

長野・林田 正文


 最近、マスコミで非常に有名になってしまった長野県よりお便りします。
 十月十五日に投票された長野県知事選挙は、開票が始まってすぐに「当選確実」が発表されてしまい、本当にあっけない幕切れでした。翌日、仕事が終わって、行きつけの焼鳥屋で一杯始まると、話はすぐに知事選になりました。われわれは「知性派」らしく「マスコミの当選確実発表がなぜそんなに早く出るのか?」でやっていました。隣の「政治評論家」たちはカウンターの中の夫婦も巻き込み、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論白熱でした。
 おまけに県庁幹部職員の態度(名刺うんぬん)が全国ニュースになったとき(ちょうどそのときも居酒屋になぜかいたのですが)、居酒屋の中はその職員に対するブーイングで飲兵衛のおやじ連中が意気投合して、もうたいへんなものでした(長野県では日本シリーズより田中知事のほうが居酒屋では確実に盛り上がっています)。
 以下、「見解」をまとめると
★反対派:政治の素人(しろうと)で名前だけの売名行為だ。今契約済みの公共事業までなくなる(不景気に拍車がかかる)。
★行く先心配派:県下市町村長、県議、県職員の幹部・労組こぞって反対陣営にいた人ばかりで政治ができるのか?
★賛成派:今までの県職員や地元議員の態度(業者に対する)が、ガマンならなかった。選挙の票集めのやり方が高圧的で(今までもそうだが)ガマンできない。
★過激派:選挙違反者逮捕が自民党県議団長までおよんでほしい―などです。
 長野市では長野そごうの倒産、ダイエー長野店の撤退、長野駅前小売店の廃業など、相当な先行き不安があります。そして今まで景気を支えてきた公共事業が長野オリンピック以降サッパリなくなり、自民党を支えてきていた土建業者の不満がそうとうあったようです(今までも一部の業者にしかカネが行っていなかった、なども含めて)。
 今までは中央との太いパイプが売り物でしたが、「パイ」が極端に小さくなってしまったとたん、「パイ」の奪い合いからあぶれてしまった自民党基礎票が、反対票になってしまったみたいです。
 以上が今回の選挙後の長野の雰囲気です。ぐだぐだと書きましたが、本当は私が一番の飲兵衛評論家で恥ずかしい限りです。最近、政治をやるうえではマスコミ対策をそうとう考える必要があるのではないかと思っています。皆さんもお体に気をつけて、がんばってください。 


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