20001025


天災は忘れたころに…

突然4日間の臨時休業

自動車部品工場 吉田 文雄


 最近火山の噴火、地震、大雨洪水と自然災害が相ついでいます。テレビで見るたびに被災した人びとは大変だろうと思いながらも、やはり人ごととして見てしまいます。特に今回の東海地区を襲った大雨については、私の住む地方は稲刈りのまっ最中であり、ときには仕事を休んでまで刈り入れをするため、関心はなおさら薄いものでした。
 だが、一抹の不安もありました。というのも、私が勤めている会社の製品の納入先が集中豪雨に襲われた地区にあるからです。
 悪い予感が当たり、メーカーのラインは動いたり、動かなかったりで、当社の製品の納入のメドがたたなくなりました。たちまち会社の倉庫は製品の山となりました。当社の下にさらに下請けがあり、製品を持ち込んできますが、当社はメーカーに納品できない状態です。
 やむなく会社は労働組合に、とりあえず四日間の臨時休業を申し入れてきました。今まで仕事がなくて臨時休業したことはあっても、今回のように天災で納入できなくて臨時休業に追い込まれたのは初めてでした。
 組合としても天災には勝てません。問題は休業補償です。親会社の労資はこの間臨時休業の休業補償は六割、労基法に準じて合意しています。私の属する組合は、他の支部分会と歩調を合わせて、これまで八割補償でやってきました。
 だが今回は、会社は臨時休業と下請けの支払いが今まで以上にかさみ、親会社の労資なみに六割でとしつように申し入れてきました。これに対し、組合も地本の合意の下に今回のみ七割で妥結しました。下請けの会社で組合があるのは私の勤める会社だけで、団交のたびに他の系列の会社と競争できないと社長はぼやいてきます。
 天災までも立場の弱いところにしわ寄せがくるような気がしてなりません。大きな被害にあった人びとからみればとるに足りないようなことですが、今回は思わぬところからその被害の大きさを実感させられました。 


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