20001015


やっと就職したが…

ここでもリストラだ

印刷工場労働者 岡田 義男


 2年前にリストラで解雇され、しばらくは失業の身にありましたが、何とか仕事が見つかりました。経験があったので採用されましたが、賃金や労働条件は最低です。上を見ればきりがないのですが、家族のことを考えると仕方ありませんでした。
 さてその職場のことですが、以前、私が経験したことがまた繰り返されています。会社は中堅の印刷会社です。そこで十数年働いていた先輩の仲間が、この夏に一人、二人と去っていきました。本人が辞めたくて退職したのではありません。社長から「正社員からパートになってくれ」の一言が発端です。それを言われた同僚は「これがリストラか」ともらしていました。結局はガマンできなくて退職し、先日、送別会を行いました。
 そこに社長も顔を出し、中小零細企業の嘆きを言っていました。「銀行から社員を減らさないとお金を融資できないと言われた」と。それが、今回の「パート事件」になったのですが、送別会でこの話を聞いた同僚の胸のうちを思うと、日本政府に対して怒りを覚えました。
 銀行にはばく大な金を融資しながら、その銀行が労働者の首を切っているのです。私は今こそこの場で叫びたい。「政府にいじめられている者よ! 反撃する大きな輪をつくろう」と。
 それにしても日本経済はいっこうによくなっていませんね。今の職場に満足していないので、時間があれば職業安定所に足を運んでいますが、私みたいに40歳を超えると、求人はぐっと減ります。これが、現実です。
 この前たまたま、以前働いていた会社の前を車で通ったとき、大きな看板が目に入りました。「売却工場!○○不動産まで」と。私は、何となくそこの仲間の顔が浮かびました。こんなこと、いつまでも許さないぞ。 


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