20000825


行進被爆55周年の夏―
原水禁長崎大会に参加して

労働運動は平和守る力

福岡 堀本 陽介


 原水禁世界大会・長崎大会に、職場の仲間といっしょに参加しました。毎年、職場から参加していますが、私が参加するのは六、七年ぶりです。このところ組合の委員長をしていたため、職場をあける余裕がなかったのですが、今年は被爆五十五周年でもあり、久しぶりで参加してみることにしました。
 地域の労働組合の人たち二十人ほどで、中型バスを貸し切って長崎に向かいました。以前はこの地域から大型バス二台で参加したこともあります。当時は、一年間の行動を背景に原水禁大会に参加していました。参加するほうも意気込みがあったものです。
 大会は八月七日午後から九日の午前まで、三日間にわたり開催されました。参加者は約二千五百人で、率直にいって「参加者が少なくなったなぁ」という印象です。平和運動を取り組む政党や労働組合がずんだれてきた結果だろうと思います。
 労働組合では自治労の参加者が多かったようです。熊本の自治労青年部がバイク隊をつくって長崎まで走ってきたという報告がありました。こんな活動はおもしろいと思います。
 三日間の中で印象に残ったのは、長崎の高校生が平和大使として国連に行った報告です。とても元気がよくて、若い人がこれからの平和運動を担っていく力をもっていることを実感しました。
 シンポジウムでは外務省の役人がパネラーとして発言していました。日米基軸の平和運動(?)ということでしょうか。ちっとも闘う雰囲気が感じられません。食事の時に仲間たちと、「なんで役人が原水禁大会に来ているのか。沖縄の基地問題をどうするのか聞いてみたいくらいだ」と話題になりました。
 昔は、夜になると部屋に集まってきて交流会を開いたものですが、今回はそういう機会もありませんでした。せっかくの機会ですから、できるだけたくさんの人と仲良くなりたいと思い、知らない人にも声をかけてみました。民主党支持組合の人に「選挙はすっきり闘えた?」と聞くと、困った顔をしていました。民主党では、平和運動も闘えなくなるでしょう。
 最近、米国は十二回目の臨界前核実験を強行しました。「核軍縮が世界の流れ」という楽観論に流されるのは危険なことではないでしょうか。 大会宣言では「ヒロシマ・ナガサキの心を世界のすべての人びとに発信しつづけ、核廃絶・軍事基地撤去・脱原発へ向けた大きなうねりを築き、核も戦争もない二十一世紀を実現しましょう」と呼びかけています。そのためには、労働組合が平和運動に積極的に取り組み、運動の中心を担わなくてはいけない。そのことを強く感じさせられた三日間でした。 


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