20000805


「ながさき平和大集会」に参加して

若者たちの真剣さに感動

長崎・山田 幸弘


 七月二十日、今年もながさき平和大集会が、長崎市・平和会館において開かれました。「ながさき平和大集会」は、これまでバラバラであった平和運動を何とかまとめようという努力の結果、生まれたものです。一九八九年に第一回を開催して以来、今年で十二回目を迎えます。一昨年からは、高校生平和大使の派遣も企画され、今年は三回目です。
 今年の平和集会での中心プログラムとなったのは、昨年平和大使となり、ニューヨークの国連本部を訪ねた二人の高校生の報告。それに小学、中学、高校、大学生までの児童、生徒たちが参加したシンポジウムの取り組みでした。
 男女二人の高校生平和大使の報告は、若い力のすばらしさを感じさせる感動的なものでした。青雲高校三年生の真崎君は、祖父母が被爆者であったため、佐世保西高校三年生の新谷さんは、中学の時、人間の影が原爆で焼き付けられた一枚の写真を見て、平和問題について考えるきっかけとなったそうです。
 「ニューヨークの高校生との交流では、私のほうがいろいろ教えてやろうと思っていたが、実は大違いで、たくさんの質問をあびせられ、彼らが真剣に考えていることを強く感じました」という発言など、平和問題を真正面から考え、高校生らしい新鮮な感覚で報告してくれる姿勢に圧倒されました。
 シンポジウムでは、小学生からは、原爆の被害がもっとも大きかった城山小学校の児童たちの平和学習の取り組みが報告されました。江平中学校の女子生徒の話は、強制連行された朝鮮人の被爆、日本が朝鮮人にした残虐行為にまでおよびました。高校生からは平和大使の報告です。大学生からは行動しながら学ぼうということで、沖縄を訪問したり、佐世保の米軍基地を訪ねたりした実体験を交えての報告がありました。
 小学生から大学生までというこの企画が、本当にすばらしいものだと思いました。女子大生が「生きた交流の場となり、勉強になりました」と述べていましたが、その通りであったと思います。
 そしてまた、若者たちが平和の問題について、真正面から受けとめているようすがありありと伝わってくるものでした。若者たちが真剣に考えはじめてこそ、平和運動の力強い前進もあるに違いありません。
 実行委員会では「高校生平和大使」派遣のための募金活動を行っています。詳しくは長崎平和推進協会(電話〇九五ー八四四ー九九二二)までお問い合わせください。参考までにつけ加えておきます。


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