20000725


厚木基地撤去集会に参加

米軍機のごう音に怒りわく

嘉手納と厚木の思い一つに

神奈川 児玉 伸也


 沖縄の嘉手納基地包囲にあわせて、神奈川県でも七月二十日に厚木基地の撤去をめざす集会が開かれた。私も参加しようと、会場付近の桜ヶ丘駅から歩いていった。会場のそばに来ると、やたらと歓声が聞こえてくる。まだ開会前なのに盛り上がっているなと思って近づくと、その歓声は高校野球の予選だった。
 ちょっと気後れしながら、会場に入った。厚木基地爆音防止期成同盟の旗をはじめ、自治労、教組や全逓の組合旗が風になびいている。あまりの暑さに集まった人びとは、会場のまわりの木陰で休んでいる。
 私は、会場内のテントで冷たいお茶を買おうとするが、隣で知り合いが沖縄のオリオンビールを売っている。たまらずビールを買って昼食にする。
 そうこうしているうちに、第一部「平和フェスティバル―アジアの平和と共生・自立をめざして」が始まった。横須賀で反基地運動を続けるバンドグループの歌や川崎の在日韓国人たちの太鼓などが続く。さらに朝鮮学校の民族歌舞団の歌や踊りもあった。朝鮮の南北首脳会談の影響でいっしょに出演するのかな、などと思う。それにしても、普段はなかなか見られない踊りや歌は、大変素晴らしかった。
 特別出演として沖縄の島唄歌手・大工哲弘さんが登場する。八重山民謡や沖縄の歌を熱演する。なかでも「インターナショナル」や「がんばろう」は独特の演奏と歌い方で、聞く者を魅了する。その演奏の途中も厚木基地から米軍機が離着陸する。その騒音でせっかくの歌が聞こえない。大工さんは「沖縄みたいですね。ほんと頭に来ますよね」と言いながら、米軍機には負けないぞ、とばかりに熱唱する。
 第二部は「沖縄嘉手納基地包囲に連帯し厚木基地撤去をめざす神奈川集会」だ。
 神奈川平和運動センター代表で弁護士の宇野峰雪さんがあいさつする。「米軍機が三機編隊で飛んで、すごい爆音がしている。だが、厚木基地爆音訴訟の現地調査の時は飛ばなかった。今日ぐらいの騒音なら、賠償金が倍増したかもしれない」と話す。
 米軍は、裁判所の現地調査の時は飛行機を飛ばさないでごまかしていた。そんな姑息(こそく)なことまでしていたことを初めって知って、怒りが大きくなった。
 集会の途中で、嘉手納基地を包囲したと現地から電話が入る。ここでもそれに合わせて、参加者が手をつないで連帯する。沖縄だけなく全国で連帯する集会がやれれば、本当に米軍基地をなくせるに違いない。そんなことを感じさせた。
 集会後は二チームに別れてデモを行う。私は基地の横を通るBコースに参加する。デモの途中で厚木基地に接する。デモ参加者全員で抗議の赤いリボンをフェンスに取りつける。嘉手納でも赤いリボンで抗議している。こうやって沖縄と神奈川が結ばれた。
 暑かったが、充実した一日だった。デモ終了後のアイスと家に帰ってからのビールがうまかったことは言うまでもない。
 


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