20000715


先行き不安な毎日…

なぜ大企業を救済?

中小企業労働者 井上 健二


 景気が「上向かない」「上向き加減」と、諸説が取りざたされています。今回の総選挙も、「景気の回復が第一で、IT革命で産業基盤を改革して…」などと政府は言っていましたが、選挙直後のわいろで捕まった元大臣や、大企業のそごう救済など、舌の根も乾かないうちにいいかげんなことをやる政府には、本当に怒りを通り越してあきれています。
 私は民間の小さな会社に勤めています。業績が上がらず、先行き不安が続く中で、身の細るような気持ちで働いている者にとっては、「何が救済だ」と頭にきます。
 こういう世相なので、職場でもみんな敏感です。ニュースや新聞もよく見てるし、自分たちが日常感じている感覚と、あまりにかけ離れた政治家の行動や発言には、本当に腹がたちます。職場では「何で銀行やそごうだけを税金で助けるのか」「社会保障のために消費税を上げるといっているのに、なんでこんな無駄金を使うんだ」などと、みな口々に憤りの声をあげています。
 本当に救済してほしいのは、われわれみたいな中小、零細の会社です。そこでの労働条件がどんどんと悪くなる一方の、私たち労働者です。IT革命だなんだと言っていますが、それで景気が上向くなら早くやれと言いたい。半年、一年先が見えないから不安なのに…。
 私の会社でも業績を上げるために、必死で努力をしています。はた目からみれば、こっけいに思えるようなことでも、売り上げを上げるために真面目にやっています。
 経営者と労働者で立場に違いはありますが、取引先の企業に平身低頭し、銀行の貸し渋りで資金繰りに神経をすり減らす社長をみると、立場は違っても「がんばれ」と声をかけたくなる気持ちになります。それと比較するなら、銀行やそごうなど大企業の経営者は必死に何かを努力してるとはとても思えません。そういう会社はつぶれてもしようがないのではと思います。
 年二回の社内旅行も、一回になり、ささやかな楽しみが何だかんだと減る一方で、将来に対する不安が増すばかりです。とにかくこんな政治を変える以外にない! と思う毎日です。 


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