20000625


元気に田植え

みんなで考えよう 日本農業

平岡 彰男


 皆さん、こんにちは。職場で、学園で元気にがんばっていますか。梅雨に入り、少し憂うつになっていませんか。
 私は、労働者ですが、地域で「コメづくりの会」の代表をつとめています。会員数は三十人ぐらいです。会の趣旨は、地域の市民が農業に少しでもかかわりを持ち、農業の大切さを知り、コメづくりを通して食の問題を考えてほしい。そして、日本の農業のありかたを見直してもらいたいということです。会は、九三年からスタートしました。
 九三年、その年は全国的に凶作になり、タイ米などが輸入され、多くの人びとが米屋さんに並んだ年でした。その時の会の活動は活発でした。
 あれから七年がたった今、コメについて考えることも少し冷めてきた感があります。
だが私の会では、体験農業の一環として、六月の田植え、八月の暑い中での草取り、そして十月の稲刈りを今でも続けています。今年も、雨が今にも降りそうな天候の中で田植えをしました。
 水田に入ると、井戸水の冷たさが足に伝わってきます。田の浅い所と深い所、慣れてはいても苗を植える時は気を使います。いつも来てくれる農業高校の生徒たちは、慣れた手つきで作業をしています。幼稚園児も、お父さんやお母さんと手をそろえて楽しそうに植えていきます。七年間会を続けて、延べ三百人以上の人たちに田植え、稲刈りに参加していただきました。
 今、日本の農畜産物は牛、豚、ニワトリも五〇%近くを輸入、野菜類も東南アジアから生もの、加工品が入って来ています。コメについても、二〇〇一年以降本格的な輸入について、世界貿易機関(WTO)次期交渉の中で検討がされています。農家の人たちも、現状の農業政策の中でどう経営をしてよいのか、分からない状況になっています。
 コメは日本の基幹産業にならなければいけない。すべて自給にしなければいけないと、私はコメづくりを通して痛感しています。世界的な異常気象の中で安定的な生産ができないからです。
 今、若い人たちの間でも少しずつではありますが、農業に関心と希望を持つ人たちが増えています。若い人たちにも夢が持てるように、また、安全な食を確保できる農業になるように、少しでも役に立つようにこれからも会の活動を続けていきます。
 皆さんもいっぱいご飯を食べてください。 


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