20000525


教員の差別事件が発覚

校長自殺を利用する共産党

差別あおる共産党に怒り

三重県 畑山 寛治


 差別事件が後をたたない三重県で昨年六月、松阪商業高校のある教員が、家を新築したところ、そこが同和地区を含む町内会に属していることから、団地の人たちを説得し、隣の町内会に移るための運動を進めていました。その中である家を訪問したとき「(隣の町内会に移ることが)お嬢さんの将来(結婚の意)にいいかもしれませんね」と発言したことに対し、「教員がこんなことを言っていてよいのか」と指摘されたことから、差別事件として明るみに出ました。
 これを受けて部落解放同盟は、十一月五日に糾弾学習会を開催しました。この糾弾学習会は、差別事件を起こした教員からその事実関係を明らかにするという内容が主なもので、冷静に整然と行われました。

差別発言する自由?

 こうした取り組み中の十二月十五日に、松阪商業高校の校長が自殺しました。自殺の原因については、校長を身近でよく知る立場にある松阪商業高校が「前校長の自殺は、その取り組み(差別事件)の途中のできごとであることは事実ですが、遺書も残されていませんし、自殺の動機を特定することはできません」と見解を発表しています。
 こうした状況の中、共産党や全解連などが「県立松阪商業高校校長自殺の真相を明らかにする県民の会」なる組織を結成し、県教委への公開質問状や「真相究明集会」、機関紙、ビラなどでのキャンペーンをはっています。その内容は「確認糾弾会=私的制裁(リンチ)」といったもので、糾弾学習会をあたかもリンチを行う場であるかのようにフレームアップし、それと校長の自殺を意図的に結びつけようとする許し難いものです。
 また共産党は、県下各地で頻発している差別落書きに対しても「あれは差別落書きなどではなく、単なる落書きだから消せば済むことだ」とか「表現の自由があるのだから、差別発言をする自由があってよい」とか「裁判では被告を弁護する弁護士がいるが、糾弾会では弁護するものがいないから不公平で、認められない」など、完全に差別する側の立場に立っています。事実をわい曲し、国民の中に植えつけられた差別意識をあおりたて、差別を助長する差別者集団としての本質をあらわにしています。

共産党のキャンペーンに怒り高まる
 
 三重県でのこうした共産党の許し難いキャンペーンに対し、反撃が開始されています。去る三月二十五日には、松阪地区同和教育推進協議会の主催による「松阪商業高校校長自殺をめぐってのキャンペーンを考える集い」が松阪市で開催され、約四百人の人びとが結集しました。「集い」では、一連の事実関係が報告され、また共産党、全解連、「県民の会」の差別キャンペーンが厳しく批判されました。
 また、部落解放同盟三重県連合会も県下各ブロック単位での集会を開催したり、県段階の集会を計画したり、共産党の差別キャンペーンに反撃を開始しています。
 校長の自殺という悲劇まで党利党略で利用し、同和教育攻撃、部落解放同盟攻撃に走る共産党への怒りは、大きく広がり、高まっています。
 


Copyright(C) The Workers' Press 1996-2000