20000525


年末一時金は粘って団交

闘争で一歩ずつ団結強化

印刷工場労働者 富山 和幸


 私の職場は、従業員数十人の印刷会社です。印刷業界は零細な企業が多いので、私の会社は中堅といったところです。印刷会社では、資材となる紙がコストの半分を占めるといわれています。最近では、環境問題や円高の影響で原料が値上がり傾向にあります。
 長引く不況の中で、業界でも単価の切り下げについていけず、倒産に追い込まれた零細な企業もあったときいています。労働組合もなく、街頭に放り出された労働者とその家族を思うと心が痛みます。
 私の工場では最近仕事が増え、残業や休日出勤に追いまくられています。会社全体では二十時間近い残業ですが、私の職場は特に忙しく、月平均三十五時間の残業で仕事をこなしています。
 私は労働組合の役員をしていますが、昨年の一時金闘争の経験は貴重だったと思います。リストラ、不況の中にあっても「仕事が増えて残業でがんばっているのだから」という組合員の声に押され、団交では一時金要求を粘って主張しました。組合員の団結と執行部の奮闘で、一時金闘争は二カ月近い結果となりました。賃金ベースが低いので、手放しで喜んでいられませんが、一応の成果をあげることができたと思っています。今年の春闘の結果は、残念ながら昇給がわずかばかりで、組合員の中に不満が残るものでした。
 私たちの組合のがんばりに歩調を合わせるように、地域連合のメーデーも、昨年とは様相が一変しました。地域連合のほうから、組合旗を持ってくるようにという指示がありました。というのは、昨年までは組合旗もなく、公園のあちこちに「焼きそば」などの屋台があふれるお祭りムードだけでした。
 今年は参加組合の中にきちんと動員をかけ、昨年を大きく上回る組合もありました。会場は赤旗がたなびく、メーデーらしい雰囲気にあふれていました。
 まもなく夏季一時金闘争が始まります。今年は税制のしくみが変わり、闘争時期が早まりそうです。昨年の一時金闘争の中で少しずつ高まった労働組合の団結をさらに強め、安心して働ける職場をめざしてがんばりたいと思います。 


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