20000315


組合員は闘いたがっている
不当な異動をはね返して

今年は赤旗立てて春闘だ

福祉施設労働者 村岡 賢治


 福祉施設で働いています。経営者はこの地域の商工会議所の会頭をしている人物で、この地域では一番の資産家です。かつて県会議員でもありました。ここでは以前、労働組合が闘争をするので入所者を預かっておけないとして「施設閉鎖」を打ち出し、その後の調査で施設会計の不正流用が発覚、県の一週間にも及ぶ特別監査を受けたこともある、そんな施設で働いています。
 二年ほど前から元炭労出身という人物が交渉屋(労務担当)として理事に就任し、団体交渉が行われるようになりました。就任当初、「自分は理事長より団体交渉権と人事権は一任されている」として、団体交渉に乗り出してきました。
 その人物の最初の仕事が団体交渉の人数制限でした。もちろん組合は不当介入として認めていません。狙いは、組合幹部と組合員の切り離しであり、大衆闘争に発展しないようにすることにほかなりません。組合を交渉のテーブルにクギづけにしておくことだと思います。ですから、この間は組合との交渉で大胆に妥協することもありました。また、組合が人事権に口を出すのはもってのほかというのが持論です。
 昨年暮れ、当局から合理化提案がありました。提案の主な理由は、人件費が赤字だからというもので、その内容は、人件費の徹底した抑制と、介護保険を目前に新たなサービス(労働強化)を行うというものです。組合では、直ちに執行委員会を開き、基本的にこうした合理化案に反対していくことを確認し、交渉を進めています。
 そんな中で今度は、不当労働行為まがいの職種変更と人事異動を提案してきました。それは、組合員である事務員を職種変更するというものでした。狙いははっきりしています。施設会計にかかわるところに組合員がいては、都合が悪いのです。事実、ここ数年二人の事務員が「組合を脱退しなければ事務員からはずす」と脅しをかけられ、脱退しています。施設会計を理事長の思いどおりにできないからにほかなりません。
 組合では「施設会計が狙われている」「不当労働行為まがいの職変と人事異動に断固反対」とのチラシを作成し、赤旗を施設のまわりに立てる準備をしながら交渉に臨みました。結果、数日後、赤旗を立てないまま撤回させることができました。
 まだあります。今度は、人事異動の内容を組合には提案しないと交渉窓口を通じて一方的に通告してきました。組合では直ちに抗議をし、赤旗を立てたところです。
 今組合員は、交渉だけでは解決できないことを感じています。思いきって闘いたがっているように思います。こうした組合員の気分から離れずに、春闘を闘いぬこうと思っています。 


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