20000305


高校生が君が代斉唱に抗議


 三月に入り、国旗・国歌法が施行されて初めての卒業式が全国で始まった。文部省や各都道府県教育委員会は「国旗」掲揚、「国歌」斉唱を強制する締め付けを強めている。こうした締め付けに対して、高校生が着席して君が代を拒否するなどの動きが出ている。三月一日の主な動きを紹介する。

 卒業式での日の丸掲揚、君が代斉唱をめぐって校長が昨年二月に自殺した広島県立世羅高校で三月一日、卒業式が行われた。式次第には初めて「国歌斉唱」が書かれたが、君が代斉唱時には卒業生二百人と在校生五百七十人が着席して斉唱を拒否し、抗議の意を表した。
 神奈川県では一日、ほとんどの高校が卒業式を行った。県立希望ケ丘高校(横浜市)では国旗掲揚と国歌斉唱を実施したいとする校長と、反発する生徒、教職員の話し合いが式直前まで続いた。君が代斉唱は、ほとんどの生徒や保護者は着席したまま拒否した。
 昨年の県立高校の卒業式で唯一日の丸を掲げなかった横浜市の岡津高校では日の丸を掲揚し、歌詞付きの君が代のテープを流したが、生徒や保護者のほとんどは着席したままで、歌った人は少なかった。
 京都市北区の市立紫野高校の卒業式では君が代斉唱を数人の卒業生が拒否して着席。卒業生の男子生徒が壇上に上がり、伴奏を流していたラジカセのスイッチを切って抗議した。
 北海道では一日、公立高二百八十六校のうち二百八十四校で卒業式が行われた。北海道はこれまでは日の丸掲揚が九割、君が代斉唱が七割と実施率が比較的低かった。
 札幌市東区の市立高校では、今年から日の丸掲揚、君が代斉唱があったが、生徒の大部分は歌わずに聞いているだけ。
 道央地区のある道立高校はこれまで通り日の丸、君が代のない卒業式を行った。 


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