20000305


就職戦線は超氷河期


 「超氷河期」といわれる今春卒業予定者の就職活動。就職内定率(昨年末時点)は大学生七四・五%、短大生四六・八%、高校生六七・三%と過去最悪だ。東京・六本木の学生職業総合支援センターで、卒業を目前にして就職活動にがんばる学生たちに話を聞いた。深刻な不況、終身雇用制が崩壊する時代の中で、社会に関心を向ける青年も増えている。


30社面接して全部ダメ

男子学生
 一昨年の十二月からこの一年で三十社くらい面接しましたが、全部ダメでした。今まで大きなところばかりまわっていたのですが、今は小さなところに目を向けて、どこでもいいからという心境でやっています。見通しは全然つかないですけど、小さい会社だと友人がかなり受かっているので、少しは期待できると思っています。
 好景気の時と比べたことがないのでよくわかりませんが、とにかく状況は厳しいです。
 親の目も厳しいので、なんとしても三月中に決めようとあせっています。コンピューターのソフトウェアの会社を狙っているんですけど、今は業種にはそんなにこだわりはないです。自分のことで精いっぱいの毎日です。

先輩も派遣社員が多く

女子学生
 さっきも面接したところから電話があって、ダメでした。私は司法書士事務所や法律事務所を希望して、資格の勉強をしていたんで、資格がとれた一月から就職活動をはじめたばかりです。友人はあまり決まっていない人が多くて、結構大変みたいですね。先輩を見ていても、女の人は、卒業してから専門学校に通うか、フリーター。とくに派遣社員になる人が増えてます。厳しい状況ですが、がんばりたいと思っています。
 
2月になって内定取り消し

女子学生
 私の就職活動は去年の三月に終了していました。つい先日まで内定があったんです。しかも、その会社は情報系の某有名会社の小会社で、社長も「親会社がつぶれないかぎりは絶対に経営不振になることはない」と豪語していました。しかし、二月になって呼び出され、「内定取り消し」を告げられました。
 私は納得がいかないので理由を尋ねたところ、「自分のところの社員でも手がいっぱいなのに君たちまで構っていられない」という返事。もう少しすまないという気持ちを表してほしかったと思っています。
 内定が早く決まっていたおかげで学生生活は満喫することができましたが、今から就職活動をやらなければならないと思うと、かなり気が重くなります。

就職活動をあしかけ2年

男子学生
 私は二社ほど、内定が取り消しになっているので、就職活動歴はあしかけ二年になります。大学で単位を取り残してしまったんです。接客業でしたので、お客様にあわせた時間帯に勤務できないことがネックになって、内定取り消しになってしまいました。
 私も例にもれず、就職できない三分の一の中に入っています。ただ、がんばれると思っています。自分だけが大変なわけではないので。まわりにも就職できない人がたくさんいます。日本全体が好景気とはいわないが、景気がこれ以上悪くはならないようになってほしいですね。
 新卒にしろ既卒にしろ、企業に対して一番弱気になっている時期だと思うので、『強気にでろ』とまではいいませんが、自分の強みになっている部分を売り込む、それが就職氷河期に生き残っていくのに必要なことだと思います。
 大学を卒業できるかどうかも不安といえば、不安です。大卒と中退では、選択肢がかわってくるので、卒業はしたいです。こればかりは大学が決めることですけどね。
 太平洋戦争で負けて以来、米国のマネをして、高度成長をへて、バブルがはじけて、それでもまた米国を追って、最近はマルチメディアばかりもてはやされているじゃないですか。マルチメディアはこれからの時代には、あって当たり前のことだとは思いますが、バブルがはじけたように、同じようなパターンで、いつか、本当の意味での「コンピューター二〇〇〇年問題」がやってくるんじゃないかと思います。
 政治家は(ブラウン管ごしにしか見れませんが)自分の身を守るのに手いっぱい。今一番余裕があるのが、教育に携わっている人だと思うので、その人たちがいい教育をしてくれると、政治・経済面でも日本の悪い部分を変えてくれる人材が育っていくと思います。生徒をのばす教育が行われることを自分としては望んでいます。 


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