20000205


大きな時代の節目
労働者階級の未来語ろう

工場労働者 山口 利春


 労働新聞の読者の皆さん、お元気でしょうか。いよいよ西暦二〇〇〇年を迎えました。大きな時代の節目には違いないのですが、世界全体の情勢やわが国社会の様相を見ると、まさに大きな歴史の節目を迎えているようです。世界においてもわが国においても戦争に突入していく、その頃の状況とあまりにも類似していることにはっとさせられます。
 しかし、一方では多くの人びとにとって、何が何だか分からない、まだまだ平和ボケの延長が続いているのも実際だと思います。テレビの番組などを見ていると、まるで意図的に人びとの生気を失わせるようなものばかりで、やるせない気持ちになったりします。
 私が働いている職場では生命の毛穴をふさがれたように、ただ生活のためにだけ働く労働者の姿があるばかりです。昨年、ブリヂストンで働く一人の社員が本社で割腹自殺をとげたことを思い起こします。「ただただ会社の発展のために」と人生を打ち込んでがんばってきた人間が、突如としてリストラされ、会社にとって無用の人間とされた時のショックはいかばかりだったことか。そして、死ぬことしか選択の道がなかった事実!
 現実に労働者がおかれた状況、とりわけ大企業の社員の抗議の自殺という事件は、戦後のわが国社会がどんな社会だったかを暴露しているのではないでしょうか。
 これまでの革新政党といわれる社会党などの歴史、あるいは労働組合運動の歴史とは何であったのかを考えさせられます。組合運動を通じて労働者にとって本当の教育がいかほどされてきたのか。むしろ賃金をもらうためだけの奴隷、あるいは会社人間としての枠の中に押さえ込んできたのではないだろうかと自問自答しています。
 社会が危機的状況に突入していることはまぎれもない事実です。人びとに真実を知らせていく活動はますます重要になっています。
 現在の情勢や労働者の進むべき道などについて、できるだけ多くの仲間と語り合うために「労働者夜間学校」のようなことが実現できたらと夢見ています。
 社会全体の原因と結果、そしてこれからのすう勢をよくよく見てとり、労働者をはじめ人びとを信頼し、困難な道ですが、がんばっていきたいと思います。全国の仲間の皆さん、今年一年も共にがんばりましょう。 


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