990225


新ガイドライン関連法案を廃案に(3)

運動の広がり求めがんばる女性団体




 小渕政権は、新ガイドラインを五月訪米前に成立させるべく、特別委員会を設置した。いよいよ闘いは正念場を迎えている。新ガイドラインに反対し、ねばり強い共同行動をすすめてきた女性団体にこれまでの取り組みと決意を聞いた。


アジアへの加害者にならない

日本婦人会議 津和 慶子議長に聞く

―日本婦人会議について教えてください

津和 日本婦人会議は六〇年安保の後、女性たちが立ち上がろうということで六二年に結成されました。出発点は平和運動から始まったのですが、女性差別撤廃やくらしの問題、女性の政治参加など幅広く取り組んでいます。

 課題ごとにさまざまな団体と共同してやっています。朝鮮問題は植民地支配の清算がすんでいないし、「朝鮮有事」が喧伝(けんでん)されるなかで、在日の方々との交流をはじめとして「朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会」をつくって取り組んできました。また「戦争への道を許さない女たちの会」を幅広い個人参加で、事務局になってやってきたし、九五年の沖縄少女レイプ事件以来は「NO!レイプNO!ベース女たちの会」をつくって暴力と戦争の問題を結びつけた取り組みをしてきました。

―新ガイドラインになぜ反対するのですか

津和 一つは、事実上憲法をこえる安保条約ができて、軍事態勢をつくってきたが、それでも日本政府は専守防衛の範囲と言ってきました。今度の新ガイドラインで憲法はもちろん日米安保をもふみこえて、米国の同盟軍として自動参戦していく仕組みがつくられます。自衛隊だけでなく自治体も民間も巻き込んで総動員態勢で協力させられ、私たちが被害を受けるだけでなく、またもアジアに対する加害者になっていきます。

 二つ目に、まともな国会の議論もなしに、与野党の力関係の中で事実を追認していく。憲法違反のことをなし崩しで合法化しようということは、民主主義の問題からしても許せません。

―新ガイドライン反対の取り組みを聞かせて下さい

津和 九六年の日米共同宣言の時から勉強会をやったりアピールを出して取り組んできました。とりわけ九七年九月に新ガイドラインが結ばれてすぐに自分たちの手でリーフレットをつくりました。有事体制につながっていくという全体像をあきらかにして、いち早く声をあげてきました。

 昨年八月に「NO!レイプNO!ベース女たちの会からさらにひろげよう」ということでキリスト教団体などによびかけて、八グループで集会をもち、「止めよう戦争協力法」女たちの連絡会を結成、共同行動を広げています。

 最近は共同声明の署名運動をしています。三月十日を締め切りにやっていて広がりはありますね。廃案を求める六万人の請願署名運動にも取り組み、各党議員にロビー活動をしています。十二月八日には女性議員と懇談会をして、夜はデモと集会をしました。

―これからの運動方向についてどうお考えですか

津和 社民党、共産党だけでは今度の国会は乗り切れません。ロビー活動の中心は、民主党、公明党ですが、議員が率直に自分の意見を市民と議論しない。個人としてでも追求してくれる議員が増えればと働きかけています。

 運動の面では、三月九日にはクリスチャンの方たちがデモやリボンコールをやりましたし、しだいに一般の人たちにも知られてきていると思います。保守政党の方の中にも三木さんや後藤田さんのように心ある方がいらっしゃるので、安保廃棄といわなくてもいっしょに行動ができるようにならなければ国会の状況をくつがえしていくことはできないんじゃないでしょうか。

 それと米国の専制性を世界の人たちと共有すべきです。ヨーロッパだってもっと平和的外交に目覚めているわけですから、米国戦略にかわる平和戦略を構築するための国際連帯が必要なんじゃないかと思います。


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