990101


日本の方向左右する大問題

周辺事態法案に反対を


米軍撤去を追求し闘う

米軍用地違憲訴訟支援県民共闘会議 有銘 政夫氏

 周辺事態法案は、わが国が米国の世界戦略へ加担し、米国の世界戦略を支援するというもので、憲法九条をないがしろにした法案だ。

 また、「安保条約は日本の平和に必要だ」という方向で安保を具体化し、日本を軍事大国化、侵略の方向へ押し進めるという方向だ。

 すでに、「沖縄の米軍基地を整理・縮小する」「沖縄の痛みを分ける」という言い方をしながら、周辺事態法の具体化が進められている。

 沖縄の一〇四号線越え実弾演習が本土移転されたが、民間機による軍隊輸送、陸上輸送、民間港湾の使用などで周辺事態法案は具体化されている。そして、本土での米軍演習も「痛み分け」を口実に公然化されている。

 「痛み分け」というのはただの美辞麗句で、沖縄からみる限り演習の拡大強化である。部隊の本拠地は沖縄においたまま、より条件のよい場所で、いろいろな地形を使って演習ができる。沖縄の軍事演習を削減したという趣旨でいわれるものではない。

 徐々に法整備をしながら、最終的に狙われているのは憲法九条の改悪ではないか。しかし、非常に具体的に危険な方向がでてきているのに、国民的運動が展開されていない。

 新ガイドラインなどは日本の方向を左右する大問題であり、全国の平和を愛して運動している人たちがスクラムを組み、具体的に米軍の撤退を追求しないと、この危険な動きはとどまるところはないと思う。

 平和運動を本気になってやってきたという自負があるならば、「米国の尻馬に乗ってかっこいいことばかりいっていたけれども、具体的には何をやってきたんだ」と、アジア諸国から批判される前に、平和運動の原点をもう一度自覚すべきではないか。

本腰を入れて闘い抜く

 昨年の知事選では、経済不況の中で稲嶺知事が誕生した。私たちは知事選の結果を真摯に受け止めなければならないのは事実だが、このことで一喜一憂するのは許されないと思う。今までも、県政を保守から奪い取ったときもあるし、また奪われたときもあり、選挙の結果は動いている。

 むしろこれまで以上に、基地問題は沖縄で激化するだろう。闘いはより具体的になり、米軍基地の問題を真正面にすえて闘われると思う。われわれは本腰を入れて、闘いの仕切り直しをしなければならない。

 いま重要なのは、なんとしても、闘い抜くこと。基地問題で沖縄の政治が動いたわけで、闘いのないところで、そういう課題が明確になることはない。

 こういう状況にあるときこそ、平和運動を担う人たち、労働者、そういった人が一歩前に出る責任と義務がある。

 本土の状況を見ると、「あの沖縄でさえ」といって、あきらめてしまうのではという心配がある。そういうことによって、自己弁護してあきらめるのならば、最初から「闘う」などと言わない方がいい。

 周辺事態法案など新ガイドライン関連法案を見れば、間違いなくマイナスの方向、右傾化していることがわかる。そういった意味で、反戦平和の課題が非常に明確になってきた。

 今年はある意味では、闘うまたとない機会でもある。だから、周辺事態法案へむかって決起し粉砕するんだという、はっきりした展望をもって、新年を迎えることが非常に大事なことだと思う。


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