20001015


那覇市長選

勝利し、沖縄の闘いの希望に

「なは市民の会」


 沖縄県では十一月十二日、那覇市長選挙の投開票が行われる。社民・社大などの政党や連合沖縄は「新生・なは市民の会」(会長・親泊康晴市長)を結成、前那覇市健康福祉部長のほりかわ美智子候補を擁立している。ほりかわ候補は「市民自治」「平和・民主主義」「商都・なはの再興」を政策に掲げ、幅広い層の支持を集めている。一方、自民、公明も前県議を市長候補に擁立し、対決している。ほりかわ陣営の勝利は、普天間基地など、米軍基地の県内移設を進める日米政府の策動に打撃を与え、基地撤去など沖縄県民の闘いを激励し、闘いを前進させる上でも重要な意味をもっている。選挙の意義などについて、狩俣吉正・連合沖縄事務局長と高里鈴代・那覇市議とに聞いた。


連合も初めて本格的に取り組む
狩俣 吉正・連合沖縄事務局長

 連合沖縄は、前回の知事選挙で大田昌秀氏を支持して初めて統一対応したが、実体は伴わなかった。だから、連合として選対を配置し、行動を設定するのは、今回の那覇市長選挙が初めてのことになる。連合としての本格的な取り組みになる。
 那覇市長選では、連合は勤労者中心の市民型選挙を追求してきた。公明党が自民党側にいったが、実際、保守の一部も含めて、支持層はこれまでよりも広がった面もある。
 連合は、労組連絡会としての選対をつくっている。これは、連合として社会的役割を果たし、求心力をつけるためだ。政策要求に基づいて、連合の存在をアピールする意味もある。その上で、政党とは有機的関係をつくる。
 宣伝などでは、連合非加盟組織も含めた街頭行動も予定されている。そうして、前回の知事選挙で稲嶺を支援した労組も、ほりかわ候補を支持する状況が出てきた。全体的には、連合としての統一対応ができている。
 現在市議会では、六議席をもつ公明党が自民党と協定したことで、与野党が十四対二十八になっている。その意味で圧倒的少数だ。しかし、自民の中には「反公明」もおり、保守が割れる素地がある。「革新」というイメージだけでなく、幅広い市民の支持が得られるのではないか。
 自民、公明の予定候補者の翁長・前県議は完全に政治談合候補で、自民党の市議会議員だけで投票して決めた候補だ。彼は、県議として那覇軍港の県内移設や反戦地主の公職排除決議を推進している人物でもある。このような候補には、民主的な市政は期待できない。
 那覇軍港問題だけでなく、地方自治政策、年金・福祉・介護などの生活問題も重要な争点だ。しっかりした政策があれば、支持は得られる。沖縄県で、初めての女性首長を誕生させたいと思っている。


勝利で運動全体の発展を
高里 鈴代・那覇市議

 那覇市長選は、前々回は無投票、前回も事実上は親泊前市長の信任投票で、平良四期、親泊四期、合計三十二年の革新市政が続いている。
 親泊前市長は、市民に開かれた情報公開や教育施設の整備、利権構造の打破など、平和・経済の面でも高い信頼を得てきた。今回は、県政が稲嶺知事に代わり、日米特別行動委員会(SACO)合意に基づく米軍基地の県内移設容認へと大きく傾いた。こうした中、長期に革新を貫いてきた那覇市政がどうなるのか、非常に重要な選挙だ。沖縄全体にとっても重要な選挙だと位置づけている。
 公明党は、九月議会までは「親泊支持」と言い、与党会議にも出席していた。ところが、今回の選挙では、自民党と共に翁長・前県議を擁立している。実は、今回の選挙に際して、自民党内の多数は別の候補を出そうとしたのだが、公明党の翁長支持が大きく影響した経過がある。
 確かに、革新は議会で少数だが、勝利すれば保守が割れる可能性もあるだろう。
 米軍基地の返還は、町づくりの観点からも、市民の福祉を向上させ、安全を守る点でも重要な問題だ。那覇軍港は七四年に返還合意がされており、那覇市は一貫して全面返還を主張してきた。そして、県内移設は容認していない。ほりかわ候補も、全面返還の立場を堅持している。自民・公明の推す候補は、「返還後の開発重視」「浦添市にお願いしてでも移設してほしい」といっている。これはSACO合意を完全実施するという立場だ。
 親泊氏の意思をついだほりかわ候補の勝利は、名護への普天間代替基地の移設問題も含め、単なる自治体選挙としてではなく、沖縄の闘い全体の大きな希望となるだろう。皆さんの物心両面の支持をお願いしたい。


ほりかわ 美智子 候補
新生・なは市民の会

〒900-0032 那覇市松山2−4−13
電 話:098−863−0420
FAX:098−860−9941
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プロフィール
・一九四〇年、那覇市松山生まれ
・那覇高校、琉球大学家政学科卒業
・那覇市役所勤務三十七年
・女性室長、企画部次長、健康福祉部長などを歴任


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