20000305


謝罪、補償、国交交渉は当然

国交回復交渉促す友好運動を

日朝友好促進東京都議会議員連盟会長 桜井 武氏に聞く


 昨年十二月末、訪朝した超党派の「村山訪朝団」は、朝鮮労働党との間で、過去の清算と中断している国交回復交渉の早期再開で合意した。だが、わが国外交はあいかわらず米国の朝鮮政策の枠内であり、米国の顔色ばかりをうかがって独自性はみられない。国交正常化交渉もようやく再会が合意されたばかりである。九〇年の「三党共同声明」に沿い、過去の侵略に対する誠実な謝罪と戦争・戦後補償を実現し、早期に日朝国交回復を実現することが必要である。国会レベルでも日朝友好議員連盟(村山富市会長)が発足したが、国交回復を求める国民運動と結びつくことが求められている。桜井武・日朝友好促進東京都議会議員連盟会長に聞いた。


 日本と朝鮮には、数千年の長い交流の歴史がある。
 どの国とも仲良くしていくというのはきわめて当然のことで、両国が交流するのは当たり前のことである。そのため、皆が力を合わせるということだ。さまざまな日常の交流活動や相互の親善訪問、芸術文化交流などを行っているのは、そういう友好関係を深めていくためのきわめて大切な手段だ。

日朝国交回復の土壌づくりに尽くす

 東京にも、在日朝鮮人が多く住んでいる。墨田区でも、朝鮮人の人びとや日本人が集まって交流をしている。そういう草の根の運動が重要だ。政治的立場や思想の違いはあるにしても、一般の国民、民間人同士には関係がない。うまくやっていこうというのは、きわめて素朴な感情だ。大多数の国民には、韓国がどうだ、朝鮮がどうだとか、分けて考えている者はいない。
 議員連盟には、共産党を除く超党派の議員、五十三人が参加している。
 食糧危機に対しては、議連で募金を募り、赤十字を通じて援助を行った。以前「テポドン問題」の時、自民党議員が何人か脱退したが、復帰させるために努力しているところだ。
 極端に言えば、なぜそんなことをしなければならないのかということがある。つまり、国と国とが国交回復されていないということが背景にある。国と国とのことは、最終的に国政レベルで決めることだろうが、皆で両国が国交回復できるように努力する必要がある。
 草の根というか、民間でできるところはどんどんやって、国レベルの国交回復ができやすいように土壌づくりというか、醸成するのが、われわれ議員連盟の役割だと思っている。

日本が平和統一を促す環境を

 以前、朝鮮女性のチマチョゴリ切り裂き事件があった。誰がやったかはわからないし、犯人は捕まっていない。だが、被害者は非常に不愉快な気分だと思う。国と国との間の溝が埋まっていない過程には起きやすいことではあるが、認めることはできない。
 誰がやったにしても、そういうことをやるのは、それこそ視野が狭いというか、考え方が狭い。こういう行為は、両国の友好を進めようとしているわれわれの運動の趣旨からみて好ましくない。 
 朝鮮半島の統一は、それが朝鮮半島全土に住んでいる人びとだけでなく、日本や近隣諸国、世界中にとってもベストな道だ。ぜひ平和的に統一してほしいと思っている。
 日本としては、それを促す環境づくりが必要で、妨げるなどというのはとんでもない。議員連盟としても、少しでも役に立ちたい。


さくらい たけし

 1934年生まれ。中央大学卒。71年墨田区議会議員(自由民主党)。77年、都議会議員に初当選し、現在6期目。都議会自民党総務会長、同政調会長などを歴任。


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