大隈議長・新春インタビュー (8)


 
−−一九九八年、労働党はどんなふうに闘っていこうとしていますか。新年に当たり、抱負をお聞かせ下さい。
 
大隈議長 労働党の旗をもっと高々と掲げたいと思います。党の周辺で「労働党の考え方は立派だし、いい人たちがこんなにいるのに、どうしてもっと大きくならないんでしょうねえ」という話を、よく聞くんですね。それには、思い当たる節がいろいろあります。
 まず、「立派な政策を掲げているのに」といわれますが、やはり政策を掲げても、これを広く労働者のみなさんや、国民の多くの方に宣伝しなければ、誰にも知られない。そういう点で、われわれはまだ消極的だと思います。だから、もっと広くたくさんの人に知られるような、そういう活動、工夫が必要だと思うんです。
 それだけではなく、党の活動している範囲、地域がまだ少ない。われわれは、四十七都道府県の全部で活動しているわけではない。そこまで党の建設ができていないからです。党の全国化は依然として党の中心的な任務です。
 党の旗を高々と掲げることの必要さは、ますます強大な党の建設が求められる現在の政治状況での、わが党の責任と関連していると思います。党の旗を大胆に掲げてこそ、わが党の強化やその組織的前進がはかれるからです。
 実際のところ、党の旗、これを掲げる点では、弱さがあります。
 わが党は、長年統一戦線を重視し、セクト主義を嫌ってきましたから、いつの間にかそれが否定面としても出てきたのでは、とも思います。
 しかし本来、政党というのは自分の党の旗を高々と掲げて、大事な場所できちんと発言しなきゃならん時は発言する。これは当然のことです。これが大衆関係を壊すことには本来はならないんです。だから、われわれはセクト主義をやらないという点では、これからもきっちり守る必要があるわけですが、必要な時には党の見解をきっちり言うこと、こういう点でも大いに努力し、党の前進を図りたい。

 二番目の問題。今危機が大いに深まっているわけですから、国民的規模での闘争を組織しなけりゃなりませんが、やはりきちんと大衆的基盤のある国民運動としての発展を図っていきたいと思います。
 昨年は、特に後半、槙枝さんらを先頭にした国民連合が、大きく前進しました。
 一昨年は、特徴的に沖縄問題で大きな役割を果たしましたが、これは国民連合の皆さんは誇りをもってよいと思うんです。しかし、昨年の後半は、各種の闘いと併せて、組織建設で、とてもいい経験をして前進したんですね。そういうことが十一月の全国総会の大きな成功に結びついたと思います。
 国民連合の発展に、われわれもできるだけのことをしなければと思いますが、さっき申し上げたように大衆的基盤のある国民運動ということを明確にしてその前進をはかる。国民連合はそういう流れのなかで、大きな役割を演じられるようになるのではないかと思うんです。
 ですから、できるだけ国民連合が各所での闘いの組織者になっていく、国民連合が闘っている人たちの中のすぐれた部分を組織としてもどんどん獲得していく、というようなことを実現しなければならないと思います。党としても国民連合の皆さんに負けないように、一生懸命やってみたいと思います。

 次の問題ですが、思いつくままに幾つか話してみます。
 さっき宣伝があまり上手でないと言いましたが、労働新聞のことです。これをもっと増やしたい。これも昨年の後半に一つの経験をしました。全党員がその気になれば、何倍だって増やせる。今はやっぱり労働党の見解を知りたいという人がたくさん存在します。こういう情勢だからみんな方向を求めているわけで、私は労働新聞は党員、特に活動家たちが考えているよりずっと評価されているんだと思うんです。
 いま、何読んでいいかわからないという労働組合の活動家はたくさんいます。とても困っているわけですから、そこをきちんとふまえてやれば増えると思います。だから、労働新聞を今の何倍も増やすような努力、これが実は情勢を発展させるうえできわめて重要な武器だということを、党内でもっときちんと評価をして、自信をもってやったらよいという気がします。
 もう一つインターネットの問題です。インターネットで党のホームページを開設して一年が経過しましたが、この間のように、労働新聞で載せたことをインターネットにというのは、やっぱり消極的だと思うんです。
 目まぐるしく速い情勢でしょう。十日に一度の労働新聞では間に合わない。そういうふうに思うと、そういう時はすばやくインターネット。まさにある意味でインターネットのほうが、もっとも党の見解を伝える、すばやく伝えるという意味で、さきに立っている。そういう問題意識で、インターネットを積極的に生かしていきたいですね。
 もう一つ党の問題。ここ一、二年労働党員はとっても勉強したんです。勉強すればするだけ今の情勢に確信を持ちますし、勉強すればいろんな情勢、いろんな問題に当面したときに、考え方がきちんと整頓されるわけで、それなりに効果があるものなんですね。
 この間は特に幹部、専従者を中心に勉強しましたが、やっぱりこの経験を全党的なものに広げていく必要があると思います。これはぜひやりたいことです。

 最後に、締めくくりのようなことですが、われわれは確かに組織の大きさからいきますと、何度も申し上げるようにとても力不足なんです。にもかかわらず、この激動する情勢のもとで労働党は、情勢に対する展望もきちんとしていますし、闘う方向についても労働党が提起したことは、ここ数カ年を振り返って確信のもてるものだったと思うんです。
 そういう意味で私は、小さくても、この政治情勢のもとでは時代が動いているわけですから、確固として闘っていくということを貫けば、飛躍的前進というか、労働者階級の中の先進部分で威信を闘いとったり、知識人の中で一つの見解としてきちんと評価されたり、国民運動の組織者として広い統一戦線に一定の影響を与えうる、そういう位置には立ちうると思うんです。
 日本の今の政治情勢のもとでは、共産党が自共対決の時代といいましたが、あれはかつての自社なれあいの五五年体制、これの「これから版」なんですね。自共対決の時代というのは、五五年体制なんですよ。なれあいです。本質的にすでに方針を転換しているわけですから。これは非常にはっきりしている。
 ですから今日の、支配層と真っ向から闘っていく真の組織者としての労働党の役割が、必ず日がたつほどに非常に鮮やかになると、私は思います。そういう点で、全党員の皆さんが自信をもっていいのではないかと思います。
 われわれがそういう自信を内側にしっかりもって、そしてそれが現実のものとなるには、大衆と深く結びついて相互信頼を闘いとっていく、そういうことを通じてはじめて実現できるものですが、本質的な言い方をすれば労働党こそ時代を切り開く大きな勢力となりうるという確信をもって、この一年を闘い抜く。これ以外にはありません。
 読者のみなさん、党員のみなさん、ありがとうございました。
 
−−ありがとうございました。

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