トピックス

世界・日本のできごと(8/12〜8/18)

世界のできごと

パレスチナ・ガザの死者4万人超
 パレスチナ・ガザ地区のメディア当局は8月15日、昨年10月以来のイスラエル軍の攻撃による死者が4万人を超えたと発表した。うち子どもは1万6千人以上、女性は1万1千人以上で、ほかに約1万人がガレキの下敷きとなっていて行方が分からない。
 このような状況について、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリニ事務局長は12日、X(旧ツイッター)への投稿で「ガザ地区では過去10カ月間、来る日も来る日もジュネーブ条約(戦闘や敵対行為にも参加しない全ての人びとを、いかなる場合にも差別せず、人道的に取り扱うこと)があからさまに踏みにじられてきた」と、民間人殺害を続けるイスラエルを批判した。
 依然として比類ない虐殺を続けるイスラエルだが、後ろ盾となっている米国は、何の成果も生まない「和平交渉」でお茶を濁(にご)しながら、非人道的蛮行を実質的に支え続けている。

人民のたたかい

 韓国サムスン電子の労働組合・全国サムスン電子労組(NSEU)」は8月15日、賃金と賞与の引き上げを求めて4日間のストライキに突入した。7月に行った経営陣との協議は決裂していた。
 南米チリ北部エスコンディダ銅鉱山の労働組合は8月13日、値賃上げや待遇改善を求めてストライキを実施した。同鉱山は豪資源大手BHPグループが50%強の出資企業で、三菱商事の子会社なども出資している。18日には会社側が示した譲歩案を「労組の勝利」として受け入れストを終えた。
 全自動車労組(UAW)は8月13日、トランプ前大統領と米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が労働者を脅迫したとして、連邦政府の独立行政機関・全米労働関係委員会(NLRB)に告訴した。両氏が12日にX上で行った対談で、トランプ氏は「労働者がストを行えば、『よろしい、お前らは全員クビだ』と言えばいい」などと発言、これにマスク氏は笑い声を上げて「その通りだ」と応じていた。

日本のできごと

首相総裁選不出馬、悪政で低支持率、当然の帰結
 岸田首相が8月14日、次期自民党総裁選に出馬せず退陣することを表明した。自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件などで歴史的な政権支持率の低空飛行が続くなか、政権を投げ出した形だ。
 岸田首相は2021年10月の発足当初は、「新しい資本主義」などと格差是正や国民経済の底上げをうたったものの、次第に「資産運用立国」を掲げるなど金融機関言いなりの経済政策を推進、物価高騰に苦しむ庶民生活は軽視し続けた。また安保3文書を決定、日米同盟強化と軍備増強にまい進し、中国脅威論をあおって東アジアの軍事的緊張を高めた。
 悪政を続けた岸田政権が停止支持率にあえいだことは当然の帰結であり、退陣表明はむしろ遅過ぎたぐらいだ。次期政権には、岸田政権の残した「ツケ払い」が迫られる。

対中国の軍備増強のなか、防衛相が靖国参拝
 敗戦の日の8月15日、木原防衛相、高市経済安全保障担当相、新藤経済再生担当相の3閣僚が靖国神社に参拝した。また岸田首相は玉串料を納めた。
 靖国神社は、中国をはじめとしたアジア諸国への侵略戦争に国民を動員したA級戦犯を合祀(ごうし)し、またこんにちもなお侵略戦争を美化・宣伝している施設・団体だ。岸田政権が中国を念頭に置いた軍備増強を進めるなかで自衛隊を指揮監督する現職防衛相が参拝したことは、「日中再戦」への体制づくりともいえる、許しがたい蛮行だ。

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