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【沖縄】与那国島住民有志の会が「日中政府間基本4文書に深く学び」「平和的手段で解決」を求める声明

 政府・支配層は米戦略に追随して「台湾有事」をあおり、政府軍事大国化を進めている。「日中共同声明」で約束した平和外交の精神を踏みにじり、台湾を「独立国」であるかのように扱う策動を強めて中国を挑発している。
 こうしたなか、沖縄県・与那国町の「住民有志の会」は、以下の声明を発表し、島内外に呼びかけている。「日中政府間基本4文書を深く学び」「平和的手段で解決」を求める運動はきわめて重要である。声明の全文を紹介する。

「日中共同声明」に立ち返り、日中間のすべての紛争は平和的手段で解決しなければならない

2024年8月4日
与那国島住民有志の会

 1972年の「日中共同声明」以降、日中間には、日中平和友好条約(1978年)、平和と発展のための友好協力パートナシップの構築に関する日中共同宣言(1998年)、戦略的互恵関係の包括的推進に関する日中共同声明(2008年)の4つの基本文書がある。これらは両国の先人たちの尽力によって築き上げられた「平和資源」である。

 平和外交は、日本国憲法「前文」で書かれているように、この国の国是である。

 これら日中の基本文書は、憲法98条により「日本国が締結した条約及び確立された国際法規」であり、「これを誠実に遵守することを必要とする」ものである。遵守すべきは、憲法99条により憲法尊重擁護の義務を負った「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」であるのは明確である。

 この四つの基本文書の中心をなす「日中共同声明」は、両国の戦争終結が確定すると同時に、重大な犠牲を与えた中国に対して、日本が不戦の誓いを表明したものである。

 「日中共同声明」では、以下の4つが確認されている。

(1)「日中両国は、一衣帯水の間にある隣国であり、長い伝統的友好の歴史を有する。(中略)日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」(前文)
 「中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する」(5項)

(2)「日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。」(2項)
 「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重」(3項)する。

(3)日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、(中略)すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。(6項)

(4)両国のいずれも、アジア・太平洋地域において覇権を求めるべきではなく、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国あるいは国の集団による試みにも反対する。(7項)

 2022年末、岸田政権は安保関連3文書を閣議決定によって改訂した。国の根幹に関わる事項を国会での熟議を経ずに変更することは憲法違反であると言わざるを得ない。

 これを受けて沖縄県議会は翌年3月安保関連3文書に対し、敵基地攻撃能力の保有、南西地域および沖縄本島へのミサイル配備などの軍事要塞化により、沖縄の軍事負担増大の懸念を示す意見書を可決した。意見書では、緊張が喧伝される日中関係は、1972年の「日中共同声明」以降の4つの基本文書によって平和構築がなされるべきだとした。

 私たち住民有志は、島内外の方々に呼びかけます。

1 「日中共同声明」を含む日中政府間基本4文書に深く学び、両国間のすべての紛争を平和的手段で解決しよう。

2 戦争だけは回避しなければならない。一面的な情報だけでなく、争いごとの実態を多面的な視点から知る努力を重ねよう。

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