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【東京】日本・イスラエル・パレスチナ学生会議が報告会 日本が「すべきこと」を真剣に追究

 日本・イスラエル・パレスチナ学生会議(JIPSC)は11月3日、東京で報告会を開いた。

 同会議は毎年、イスラエル、パレスチナから学生を招いて日本で交流や討論を行っているが、昨年10月以降では初めての開催となる。

 今回は、イスラエルから3人、パレスチナからは3人と、日本人学生は、国際基督教大学、東京大学、西南学院大学などから9人が参加した。会議は、東京に続いて福岡、長崎でも行われた。

長崎市の平和祈念像前で記念撮影。被爆者の講話も参加者の胸を打った

 会議を通じて討議された概要は、以下の通りである。

 「日本の諸問題についての発表」の項では、移民制度や関東大震災における流言飛語と虐殺、日韓・日中間の国民感情の違いとその背景、現代日本の排外主義などについて報告された。

 「パレスチナ参加者からの発表」では、パレスチナの歴史、昨年10月以降のガザやヨルダン川西岸の情勢が報告された。ガザで暮らす参加者親戚からのビデオメッセージや、現地の歌も紹介された。

 「イスラエル参加者からの発表」では、イスラエルの歴史や兵役、政府の現状が説明された。歴史については、イスラエル参加者間の意見も割れたという。パレスチナ学生からは歴史問題を中心に活発な質問が出された。

 また、長崎大学核兵器廃絶研究センターや長崎原爆死没者追悼平和祈念館を訪れ、被爆者などの話を聞いた。福岡市内観光や料理づくりも行われた。

 全体を通して重たい雰囲気になることも多く、その場にいられなくなった参加者もいたという。しかし、参加者はみな対話の姿勢を崩さず、相手を尊重する態度が貫かれた。

 主催学生も述べていたが、イスラエルとパレスチナの学生が交流する機会を持つことは容易ではない。参加者は大学研究室や支援団体(NGO)を通して募集しているが、参加者にも相当な「決意」を要求するものといえる。実際、開催直前になって参加を「辞退」したパレスチナ人は「私は何事も起こっていないかのように振る舞いたくない。私はいまだにパレスチナの地に住むイスラエル人と同じ場所にいたくない」というメールを送ってきたという。

 ゆえに、「仲介する」立場となる日本人学生も、企画を行うことの意味を不断に問われる。同会議の学生たちは、現地情勢の深刻さとそれが生み出した「断絶」に直面しながら、自らが「できること」「すべきこと」を真剣に追究しようとしている。

 同会議の活動が継続・発展し、日本国内、とくに学生の中においてイスラエル/パレスチナ問題への理解が深まることに期待したい。

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